WHAT IS SNOWBOARDING. #1

[スノーボーディングとは何なのか?を今こそ考える]
川井は独自のスノーボード感を持った人間だ。
会って、話をしはじめると時間の経つのを忘れる。
スノーボードをただのスノーボードとは思わず、ファッションやライフスタイルに結びつけた考え方は、
今月号のコンテンツにしている「自分のギアを考える」事にも結びつく。
独特の辛口トークも交え、連載で話をしてもらうつもりだ。
このコラムでは、プレイデザイン代表という肩書きは忘れてもらって。

snowstyle NOVEMBER 2012 掲載
www.snowstyle.tv

ぼくがスノーボードを初めてしたのは、17年前の阪神・淡路大震災の次の日。今と違って、大人気のi phoneもなく、もちろんtwitterやfacebookもない時代、情報は自分でとらなければならない時代だった。そんな中、神戸方面があんなことになっているなんて夢にも思わず、買ったばかりのTYPEANateCole153を車に積み、まだスノーボード滑走禁止ゲレンデが多い中、真夜中からハイウェイを走り、ゲレンデガイドの中から滑走OKで、かつノーマルタイヤで行ける近郊の雪山に向かった。対向車線を自衛隊がガンガン神戸方面に走っていた。疑問を感じながら雪山に向かい、世の中(関西が)が大変な事になっているそんな中、初めてスノーボードを体験した記念すべき日になった。次の日、全身を重度の筋肉痛が襲い、顔も洗えなかった事を覚えている。

当時、スノーボードみたいなまだまだマニアックなモノ始めるやつなんて、情報が乏しい中、ファッションや音楽や何かオシャレでカッコいい事に敏感なやつしかしてなかったと思う。山に行くといろいろな着こなしや滑り方をしている人がいたな。確か、木島平だったか、高井富士だったか、古着のダウンベストにネルシャツでスキーニットにアーネットのホットケーキでひたすら壁を当て込んでいた人。飛騨流葉にいた、日本プロ野球チームのキャップを被った2人組。一人はボーダーのラガーシャツかなんかでアクロバティックな動きをしまくっていた。普通、日本球団のキャップなんか被っていたら、野球観戦か正直いけてないファッションになるはず。それを感じさせず、格好良くて上手かった。僕もそれに憧れて、近所の古着屋でダウンベスト探して普段着としてもっていたボーダーのラガーシャツに合わせたな。全て真似をするのではなく自分らしく合わせた。1~2年前に、雪山に行くとよく見たファッションと言えば、ほぼ全員ってくらいバンダナを顔に巻いて滑るスノーボーダー。オシャレに巻けている人なんてほぼいなかったなぁ。また、カッコいいビジュアル的な撮影でもないのに、全身迷彩ウェアでモデルガン持ってなんか手榴弾みたいなミニボーチを腰からぶら下げてキッカーを飛んでる人も居たなぁ。ビックリした。ほんとに(苦笑)。

僕は、スノーボードはカッコいいファッションと絡んでいて欲しいと思う。非日常すぎない、気取りすぎない無理のないライフスタイルの延長上にカッコ良さと楽しい遊びがあると思う。しかも全てがスノーボードではなくいろいろなモノに興味をもち自分らしさを自分でしっかり理解して、流行に振り回されるのではなく、流行も自分のモノにできるくらい自分らしさをもっといろんな人に持って欲しい。元来、スノーボードはオシャレでカッコよくてめちゃめちゃ楽しい素敵な遊びなんだからね。