EYESCREAM No.113

「遊び」を真面目に考える

「遊び」を真面目に創る。
そんな禅問答のようなテーマを掲げた[P01]というブランドが密かな注目を浴びている。
BEAMSをはじめとした大手セレクトショップでも好評を博す[P01]の人気ウォッチ、
『PLAYTIME』にあしらわれた
“NO PLAY NO LIFE”というメッセージを地で行くデザイナー、
川井龍二が考える “遊びの哲学”。

EYESCREAM SEPTEMBER 2013 No.113 掲載
http://books.spaceshower.net/magazine/eyescream-201309

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2001年、大阪にて産声を上げた[P01]は、今やここ日本でもウインタースポーツの代名詞となったスノーボードをバックボーンとし、都会と自然を繋ぐテクニカル・プロダクトを展開。今年でその活動は13年目を迎えるが、その色褪せない魅力の裏には、ブランド設立当初から一貫して変わらぬ、独自のスタンスが存在している。「学生時代から、僕らにとってスノーボードは”史上最強の遊び”だったけど、それって雪山でチノパンみたいなパンツに、ネルシャツを着て、普段着の延長でやるようなルックスの部分も含めた格好良さが根本にはあって。周りと違うものを創ろうと意識的にしてきた訳では無く、自分たちが純粋に格好良いと思えるものを、13年間、時代に合わせてやってきただけなんです。」

スノーボードを愛する川井自身の柔軟なスタイルが、[P01]のモノ作りには色濃く反映されている。例えば、前述した『PLAYTIME』は機能を重視したギア的な面構えを見せながらも、豊富なカラーバリエーションにより、日常で気軽に利用できるポップなデザインを実現。スノーボーダーのみならず、スケーター、サーファー、サイクリストなど、様々なアクションスポーツのライダー達からのフィードバックを大切にしながら厚い支持を受けているとともに、[P01]自体もライダーたちをサポートしている。そして近年、その勢いは東京のストリートにも波及。BEAMSの担当バイヤーである北川氏曰く「年齢層としては、アンテナ感の高い20代のお客様が購入していくことが多いですね。[P01]を元々知っている方はもちろん、店頭に来て実際にアイテムを見てから購入して行く方も目立ちます。

そもそも川井が[P01]をスタートさせたのは、遊びの大切さをもっと世の中に向けて打ち出そうと思ったことがきっかけになっているという。それでは2013年現在、川井の考える”遊び”の定義とは一体どんなものなのだろうか。「皆さんそれぞれ、自分が息を抜ける場所を持っていると思う。それが釣りなのか、お酒なのか、洋服なのか、僕には分からないし、そう考えると遊びという言葉の定義自体は本当に曖昧。でも僕はそれで良いと思っているし、[P01]はそういう各々のバラバラな遊びの中に寄り添っている存在であり続けたい。」この言葉を聞く限り、[P01]の仕掛ける遊びは、この先もまだまだ東京ストリートを騒がせることとなりそうだ。なお、EYESCREAM.JPでは川井と文中にも登場したBEAMS 北川氏の特別対談を近日公開予定。[P01]の存在が気になった方は、ぜひともこちらもチェックしてみて欲しい。

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