ABOUT THE SNOWBOARD SHOP.#1

[ショップのあり方を考える]

Special thank_A STORE ♥CHICKENNOT. Mr Taito /www.chickennot.jp
Listener_PLAYDESIGN. Mr Kwai
A STORE ♥CHICKENNOT. Mr Taito × PLAYDESIGN. Mr Kwai

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Q:タイトウさんとは、今は無きですが、プロショップ・エスペランサ京都でウェア(ソフトグッズ)バイヤーをしているときに初めてお会いしたのがきっかけです。そして現在はCHICKENNOTのオーナーな訳ですが、タイトウさんにとってプロショップとはどのような場所なんでしょうか?

A:うーん。いきなりむずかしい・・・。ボクは幸いにもいわゆる“いいときのプロショップで“10年間働いていましたが、その頃は、信念もって真剣にお客さんと立ち向かうのがプロショップだと思ってやっていたような気がします。すべてに理由をもたせ、すべてに説明できること。それが当たり前のことだと信じていました。“いいとき”というのは、スノーボードが流行っていた時期でしたから来客者も多く、自分たちの考えや方向性(スタイルというやつ・・・)を表現し易い時期でもありましたから、現在のプロショップ観とは全く違う気がします。今は、お世辞にも流行っているとは言えないので、前述の様なスタンスでお客さまを待つということ自体が厳しいし、不安になってしまう様な気がします。だから、今は量販店がプロショップを名のり、逆に従来のプロショップがプロショップのマイナスイメージから脱却しようと模索しながら、お店それぞれの色を出そうとしている・・・という構図のような気がします。つまり、知識と商品量を武器に出来なくなった以前のプロショップは、より「遊び」を強調した、接客やお店作りに向かっている様な気がします。「遊び」とはライフスタイルと置き換える事も可能でしょう。

Q: CHICKENNOTは、スノーボードギアも展開していますが、洋服屋さん?と言う感じのお店と受け取れますが、現在のCHICKENNOTはプロダクションのカタチとは違った様にも感じます。今のショップのカタチとは、どのようなスタンスや思いでされているんでしょうか?

A:うーん、これもむずかしい〜。言葉にするのが怖いな・・・。誤解を恐れずに申し上げてしまうと、“ライフスタイルをもっとも重視した、新しいスノーボードショップのかたち”と思っています。量販店でもありませんし、かと言ってプロショップでもない訳です。専門店で購入しないという「カッコよさ」というのがあると思うんです。洋服屋に置いてあると、とびきりカッコいいスケボーのデッキとかはスケボーショップには意外と無かったり、売れなかったりなんて現象があると思います。デッキだけはそこ(洋服屋)で調達して、トラックとかは別のお店で買って自分たちで組んで楽しんでいすカッコいいスケーターって、いっぱいいると思うんですよ。シーンを理解した上で自分たちの方向性にもブレがなくなって、成熟したスケーターみたいな。言い方を変えるなら、流行りのけん玉を、けん玉専門店やお土産やさんで購入するのではなく、ストリート色のつよい洋服屋さんやスケボーショップで購入する方が今はカッコよくないですか!?そう言うのと同じです。例えるなら、家具屋ではなくカフェと併設された○○○ファニチャーで椅子を買っても、けして間違ったお店選びではないはずです。15年前から滑っている成熟したスノーボーダーも大変増えていて、プロショップの店員よりキャリアがあり、年齢も上のスノーボーダーが増えている。結婚や出産で一時期シーンから離れていて、また戻って来たけどいまさらプロショップに行く気がしないというスノーボーダーもいるはずです。すべてが揃うスノーボードショップで板を買わなくてもいい、そんなスタンスのお店・・・だと捉えてもらえたら地味に嬉しいですね。
昔からあすプロショップのいくつかが、こんな感じのお店にシフトしていたら、シーンがとても洗練されてくるのでは?と思いますが、お店の方向性や主軸を変えていかないといけないことなので、難しいのも事実です。ボクはたまたま、スノーウェアやアパレルのバイヤーを担当していたので、方向の転換がし易かったのかもしれません。

Q:タイトウさんに出会って、ボクのスノーボード感がいい方向に変わったといっても過言ではないですが(笑)、タイトウさんにとってスノーボードとはズバリなんですか?

A:遊び!気持ち良くなれるツール。若いときに頑張ってきた分のお釣りで楽しめるツールですかね(笑)。

Q:「スタイル」って言葉をスノーボーダーはよくキーワードにしますが、タイトウさんにとってスタイルとはなんなんですか?それはどんなことだとおもいますか?

A:むずかしいですね〜コレも・・・。言葉にしてしまうとウソみたいになってしまいますね。飛んでいる時の板の刺し方とか膝の寄せ具合なんかは二次的なスタイルであり、練習で作れてしまうものだと思います。本当のスタイルはそういうものじゃなくて、もっとも合理的にできたそのヒトの癖の事だと思います。バランスをとるためにヨロヨロ動く手とか、ついついでてしまうベロ(舌)とか、壁に入る前に決まって出てしまうお尻の具合とか、スノーボーダーのアンディとか、スケーターのスティーブキャバレロみたいに先天的に首をかしげた様なスタイルとか・・・。そういうのが、そのヒトのスタイルでありウソ偽りのない、「個性=スタイル」だと思います。過去の自分が勝手に作ってくれる、他人とちょっと違うだけのなんてことない癖の事なのではないでしょうか。それがカッコいいかカッコよくないかは自分以外の他人が判断するものなのですが、先天的にある程度持っていて、頑張ってある程度スキルを磨いていく中でほんの少しだけしかコントロールできないものだと思います。残念ながら、ボクは先天的にカッコいい部類に入りませんでしたが(笑)、それは仕方がない事です。カッコいい、みんなに認められる様なスタイルというのは、ある程度のスキルとのバランスを持って評価される事だと思います。初心者はスタイルの魂ですがカッコいいはずがありませんからね。