ABOUT THE SNOWBOARD SHOP.#2

[ショップのあり方を考える]

Special thank_THE ITAYA OUTLOW SERVICE. Mr Tanabe /itaya.hamazo.tv/
Listener_PLAYDESIGN. Mr Kawai
THE ITAYA OUTLOW SERVICE. Mr Tanabe × PLAYDESIGN. Mr Kawai

s-p19
Q:今月号のスノースタイルはウーメンズ・スノーボーダーを特集しています。そういえば昨シーズン「雪板 女子会」という名のガールズをターゲットにした雪山ツアーを開催していた記憶がありますが、タナベさんにとってここ近年の女子スノーボーダーに対して気になる事は何かありますか?

A:お店にいると、ここ数年、男子に負けないくらいスノーボードが大好きな女子が増えているのをとても感じます。でも、その反面、彼女たちが口を揃えて「自分のまわりに同じくらいスノーボードが好きな女子がいない」と言う嘆きもよく耳にするようになりました。お店にいると、意外とたくさんいるように感じるのですが、彼女たちはいろんなところに点在しているだけなので、なんとか「彼女たちを集めてあげる事が出来ないかな?」というのが「雪板 女子会」をはじめたきっかけです。ま、完全に女子会ブームに乗っかりました(笑)。話は変わりますが、最近の女子スノーボーダーに対してですが、炎上覚悟で言わせてもらうと「フェイスマスクを外そうよ!」ですね〜(笑)。雪焼け防止、暖かい・・・とか機能的な事も十分理解できるのですが、やはりカワイイお顔を隠されちゃうのはちょっとさみしいですね〜。カワイイお顔をガン見するためにミラーレンズをチョイスする我らのような男子陣にしたらそれこそ死活問題ですから(笑)。雪山マジックなんて言葉もあるくらいですし、業界で懸念されている「AKB化」をあおるかもしれませんが「脱!フェイスマスク!!」を切に願います(笑)

Q:タナベさんはスノーボード以外でもピストバイクやスケートボード。サーフィンやバイク。最近ではハンドペイントもしていて、いろいろ多趣味な方だなと思います。ボクもスノーボード以外にも興味があるものがいろいろありますが、タナベさんはどんなキッカケでまたどんな思いで、そのような趣味をトライしているのですか?

A:人それぞれ感じ方や考え方があるとは思いますが、個人的な答えから言ってしまえば「すべて同じ」だと感じています。とくにSNOWBOARD・SKATEBOARD・SURFINGの3つの関係性は切っても切れないものですし、三兄弟みたいなものだと思います。この3つのクロスカルチャーは昨年のメディアでも取り上げられているのであえて語りませんが、ここ数年でハマりはじめたピストバイクにしてもモーターサイクルにしても、今までやってきた3つにしても、個人的に何と言うか・・・「風を切っている感」みたいな共通点を感じるんです。スノーボードもスケートもトリックにはさほど執着心は無くフリーランやクルージングが好きだし、サーフィン、ピストもバイクも風を体で感じながら進む(滑る・流れる)あの感覚が、視覚的では無く、たぶんDNAレベルで好きなんだろうな〜と。たまにDJもやりますが、やはりあれも流れを止めないですしね(笑)。これらを一年の春夏秋冬を通じ、その時の自分の思うまま感じるまま、ある意味、適当に身を任せたスタイルでチョイスして遊んでいますね。ハンドペイントは店でPOPを長年書いている延長的なモノで、これは自分の人生の中でアーティスティックなモノなので唯一軽い自慢です(笑)。ひとつのジャンルに固守して貫く人も居てリスペクトしますが、個人的には飽きやすい性格もあるからか、いろんなモノに興味を持つし、それぞれからインスパイアを受け、それぞれに反映させている感じです。

Q:タナベさんは今シーズンでスノーボード歴20年だとお聞きしていますが、そんな成人式(笑)を迎えられるほど続けているタナベさんにとって、「スノーボード」とはズバリなんですか?

A:ズバリ言ってしまえばやはり「女の子にモテるための手段」ですね(笑)。あ、もしかしてNGワードでした(笑)?でも、20年前はじめたきっかけは間違いなくその為でしたからね〜。とは言いながらモテたためしは今までも無いし、これからも無さそうですけど(笑)。ただ、人生の半分を捧げてきたモノだし、今までこの業界以外でまともに働いたこと無いし、今の自分のすべてはこのスノーボードによって形成されてきたので、もう自分にはコレしか無いんですよ、ホント。自分からスノーボード取ったらマジでただのエ○オヤジでしか無いですからね〜。愛する奥さんだって出会ったのはスノーボーダーの自分だし、中二の息子と小五の娘にしかり、生まれてこのかたお父さんはスノーボーダーなワケですから、何とかしてこのスノーボードにしがみついて生きていくしかないと最近感じる歳にさえなってきました(笑)。

Q:「スタイル」って言葉をスノーボーダーのみんなはとても気にしているキーワードだと思いますが、タナベさんにとって「スタイル」とはなんですか?また、どんな事だと思いますか?

A:先月号のタイトーくんも難しいと言っていましたし、言いたい事を言われた感がありますが、これはやはり究極の4文字ですね〜(笑)。歴史的に最初に生まれたサーフィン、そこから生まれたスケートボード・・・スノーボードは言ったら最後に生まれた三男坊なワケですが、滑り方やボードの形状など良くも悪くも先のサーフィンやスケートボードからいろんな影響を受け、またそれらを貪欲に取り入れるすごく柔軟性のあるのがスノーボード業界だと思います。だからこそ、スノーボーダーにはいろんなモノからインスパイアを受けて欲しいと思うし、それが大きくいうとスノーボーダーらしいスタイルじゃないかな(笑)?個人的にはやはりスタイルっていうのは、そんな簡単に出来るものじゃないと思うし、今の子たちが言うスタイルはあくまで表面的に見えるモノを言っている気がして軽く感じちゃいます。やはりその人の考え方や人間性、着ている洋服だったり、聴いている音楽だったりといったセンス、いろんなモノがその人のスタイルを形成すると思いますし、それは経年変化していくモノでもあるし、その時々によってバラつきはあってしかりなモノのような気がします。結局、完成や終わりは無い永遠の4文字なんじゃないでしょうか?お!我ながらうまくまとめましたね〜!!これ、テストに出ますから(笑)。

Q: ボクの中でTHE ITAYA OUTLOW SERVICEは全国の中でもいい意味で一匹オオカミ的で、個性的なプロショップだと感じています。タナベさんにとってのプロショップとはどのような思いやどのようなカタチだと思いますか?

A:自分も、長くうちの店で働かせてもらい、いろんな時代やいろんな場面を経験させてもらうことで、いわゆる「その道のプロ」的なものって、いろいろあるということを学びました。それはもちろん基本であるビジネス面だったり、品揃え面だったり、価格面だったり、品質面だったり、雰囲気面だったり、それぞれの分野でのプロというものがあると思うんです。またオープンしたての店、5年目、10年目、20年とやり続けてく上で、必要とする事も変わりますしね。ただ、インターネットの普及や、このところの不況続きで店もブランドもお客さんもかなりゴチャゴチャのグチャグチャになっている・・・そんな現在の状況の中で、いつの間にか老舗と呼ばれるようになった自分たちTHE ITAYA OUTLOW SERVICEとしては、この8月の移転を機に、長くこの業界を生きてきた自分たちが見て感じてきた「カッコいい」と思えるモノや「本物」だと思えるブランドなどを流行などに惑わされる事なく、ブレずに、そういった本質的なとこを求めるお客さんに正直に伝え、提供していければ良いと思っています。そんな店が、今現在、自分が理想とするプロショップ像ですかね〜(笑)。