ABOUT THE SNOWBOARD SHOP.#5

[ショップのあり方を考える]

Special thanks_ SQUAL Mr.Sugimoto / http://www.squal.jp/
Listener_ PLAYDESIGN Mr.Kawai
Mr.Sugimoto × Mr.Sugimoto

snowstyle240

Q:ボクが仕事としてスノーボード業界に入り、初めてセールスを任され取引先への電話をしたショップがスギモトさんのSQUALでした。その時にやさしく対応していただいたのを覚えています。それからもう15年くらい経ちますが、スギモトさんのショップの方向性が良い意味でなんにも変わってないイメージです。スギモトさんにとって、今もなお変わらないSQUALを始めたのはどんなことがきっかけだったのでしょうか?
A:おっ、のっけからカッコイイ返答が出来ない質問ですね(笑)。SQUAL
を始めたのはノリ。って、ほんとにノリなんだよね。その頃は飲食店をやっていて、スノーボードに出会い、情報のまだ少ない中、スノーボード専門誌では無い本に載っていたアメリカのハーフパイプの1枚の写真を見つけて、「ここにいってコレやりたい!」ってそのまま出かけ、ハーフパイプではなく、日本にはその頃まだなかったどでかいキッカーで大ケガしてアメリカで手術をうけ、車いすで帰国。その後、はげしいスポーツは難しいかもと告げられ、まだ出会ったばかりでワクワクしかないスノーボードになんらかの形で関わっていきたいという、聞き分けのきかないガキのようなノリで始めました。「手放したくたくないよー」って感じですか。当時、スノーボードバブルがはじけ、「今からショップ始めるなんて止めた方がいいよ」って、みんなの応援?!を背に、でも、自分の中ではスノーボードショップをオープンさせると言うか、スノーボードが好きなやつがやっているショップという意識だったかな。

Q:ボクはSQUALのお客さんにTJを乗っている人たちをよく見ます。いまのパウダーブームが来る以前から、カッコウも少しワルっぽくお洒落な感じでした。最近パウダーボードを買いにくるお客さんが来て、対応に困るときがあると言っていましたが、最近のパウダーブームについてどう思いますか?
A:今も昔もほんとブームとかにうといんだよいね。パウダーブームってなんですか?スノーボード始めた頃から、新雪が降ればみんなではしゃいでパウダーでもがき、あきたらジャンプできるポイントを見つけはしゃぎって感じだったので、パウダーだけを求めるって、なんか新しいですね。パウダー食い終わるとその日終了ってことですかね?
 パウダーない日は出勤しないってことですかね。なんか新しいですね。ただそれってスノーボードではないですね。もちろん今もパウダーが好きで、明日降るぞって前日はワクワク。そりゃそうでしょスノーボーダーだから。でもTJをパウダー専用と思って扱っているつもりはまったくありません。パウダーでも調子いいよって伝えています。ほんとにモデルによっては春先のぐしゃぐしゃのゲレンデでサイコーに楽しかったりするし、板も滑りも全てにおいてそれのみってつまんない。オールラウンドでありたい…全てに。

Q:SQUALのセレクトしているブランドに感じる事があるんですが、スノーボードプランド以外にもスケートボードブランドやストリートの匂いのある、アメリカの西ではなく東のブランドをよく見かけます。反面、ローカリズムを大切にしているブランドもしっかりあり、面白いセレクトに感じます。そのセレクト感がずっとぶれていないイメージです。スギモトさんは、どんな気持ちでブランドをセレクトしているのでしょうか?
A:うむむ。なーんも考えてないってなしですよね?(笑)。考えてないんですけどね。ただ東NYCが好きなのは事実です。そして、自分がひねくれているせいか、スケートボードが西から生まれたとなれば、東で独特な育ち方を遂げたスケートカルチャーに興味が沸いたりします。ゴレンジャーなんかで赤レンジャーではなく青レンジャー、さらに言うとNYヤンキースではなくNYメッツが好き!って具合に純粋にひねくれています。ただ、誤解されたくないのは決してアンチではないということ。つまりアンチヤンキースだからメッツって図式ではなく、ただメッツが好き、東が好きってだけ。それは全てのモノに対して言える事。あまのじゃくではなく純粋にひねくれているだけだから、SQUALをはじめだした頃も、その時代といえば某b一色。でもSQUALにはほんの少しのbが並ぶだけ。ただワクワクさせてくれるモノがなかっただけで、これもあくまで個人的な捉え方であって、決してアンチではなかった。事実、その中でもいいなーって思うものは置いていました。アンチではなく他に好きなブランドがありそれを並べていただけ。自分の好きなモノを並べたくて店を始めたんだからしょうがないよね。そんなわけでスケートブランドはかっこよくて好きなんだけど、スケーターだからスケートブランド着るって図式よりも、例えばスケーターがラルフのシャツをサラッと羽織ってとかが好きで、そのへんのブランドを取り扱っていました。まっ、買い付けって言葉に憧れたのもあるんだけど、ただ、サラッと羽織るけど滑りに関しては攻めるってスタイルがいいなって。

Q:スギモトさんとお話している時にリフトスノーボーディングってキーワードがでました。具体的にスギモトさんはどんなスノーボードが好きなんでしょうか?
A:スノーボードに乗れていればなんでも好きです。なんでも楽しい。楽しくない事は好きではありません。だから、昔からキッカーやパイプのハイクが好きではありませんでした。そんな流れで今でも登るって行為が苦手です。確かに最近は登りもしますが、それは滑る為にと言う前提があっての行動、ごちそうを目指す以外はできる事なら登りたくはないですね〜。確かに景色のいいところを歩くのも気持ちよいですが、リフトがあるのであれば登りたいです。そりゃそうでしょリフトに乗りたくないやつなんていないんじゃない?山が好きで、登山目的なら話は別だけど。やっぱり滑る事が好きなスノーボーダーだから、リフトの上でみんなでワイワイもすっごく楽しい時間だし、ひとりでリフトに乗っている時でもゲレンデの隅々まで目をこらし、次はあそこであーやってこうやって…ニヤニヤ。結局、板に乗れていれば、なんだって楽しい!

Q:前にスノーボーダーっぽいシルエットのウェアーが好きだとか、ジャンプにワクワクするんだとか、ファッション、音楽や仲間とするスノーボードが一番と言っていましたが、スギモトさんが大切にしているその思いが、ボク的にはSQUALらしいスタイルだなと思います。巷でよく言われる「スタイル」ってなんなんですかね?スギモトさんはスタイルってどんな事だと思いますか?
A:むっつかしーですね〜。スタイルって作れないモノですよね。スタイルを気にしているヤツでカッコいいヤツ見た事ねーや。あっ、スタイルばっか気にしてるヤツっていった方がいいか。スタイルってこだわりだと思うんですよね。だからこだわりのあるヤツがカッコよかったりクセが強かったりで、そのこだわりは譲れないですよね。スノーボードが好きだからスノーボーダーなんですよね。だからいつまでもどこかしらルーズっぽいシルエットでいたいっていうか、スノーボードが眩しかったあの時代のアメリカの憧れっていうか…。